ペアワークやめてみたらチームもペアも機能し出した

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こんにちは、id:yoichi22 です。我々のチームではペアワークをデフォルトの働き方とすることで仕事をうまく進めてきたつもりでした。ところが最近、ペアで作業することがうまく仕事を進めるのに効いてたわけじゃないとわかったので共有します。

僕らのやり方

2ペアからなるチームで一週間のイテレーションを回しています。

  • チームが今週達成することを決める
  • ペアの組み合わせを決める(毎週組み替える)
  • ペアごとに担当するタスクをプル
  • ペアで一週間の過ごし方(何をいつやるか)を決める

として立てた一週分の計画に沿って、ペアで密なコミュニケーションをとりながらシステムの開発・運用のお仕事を進めています。

個々の作業はペアワークで取り組むことが多いですが、必ずしもすべての作業をペアでやるわけではなく、内容によってソロに別れて取り組んだりもします。

ペアが思ったようにワークしない

チームに新しいメンバが入って5人になったので、僕はソロになって一歩引いた所で見ながら、既存メンバから新しい人にペアワークの説明をしてもらったり、一緒にペアワークを体験してもらったりしてました。すると

  • リズムよく、スピード出して仕事を進められない
  • 既存メンバが突っ走ってしまい新しい人を置いてきぼりに

といったことが起きました。

それまでなんとなくできていたことが、新しい人が来ていざ教えようとするとうまくできなくて、やり方の背後にある言語化されてないコツとかをまだ自分たちのものにできていないことに気付いたわけです。

ペアワークをやめた

わかってないなら確認すればよいと、試しにペアワークやめてみる実験をしようと提案しました。チームのみんなもやろうと言ってくれ、ペアを決めないソロ活フェーズを2週間、その後改めてペア活フェーズを2週間やりました。

実験では

  • デフォルトをペアワークとしていたのをやめると何が困るかを知る
  • それによりペアワークがうまく機能していた時に何がうまく効いていたのかを知る
  • ペアワーク、ソロワークが適する場面を知り、結果によってはデフォルトでペアワークをやめる

を目的と定めました。チームでその週に達成することに対しては真摯に取り組むという前提で、特に先回りしてコミュニケーションを取る仕組みを用意したりはせずに、単にペアを組むのをやめてどうなるか見る。日々ふりかえって必要に応じてコミュニケーションを取る仕組みを再構築していく。としました。

わからなかったこと

実験を終えてチームでふりかえりましたが、目的としていたペアワークとソロワークそれぞれが適した場面は結局よくわかりませんでした。

その一方で、ソロ活、ペア活のどちらでも、思ったとおりに進まなくなってるのに自分だけ、自分たちだけで頑張り続けちゃうことがしばしばあるのに気付きました。 他の人を巻き込み別の視点を入れれば詰まっていたところを越えて先に行けるのに、頑張っている人は目の前のことに集中し過ぎてまわりを巻き込むのを忘れがちで、しかもその回避は個々のメンバの注意力や頑張りに依存してしまっていることが見えました。

ペアだとできること

思ったとおりに仕事が進んでないとき、あるいは気付いてないだけで実は行き詰まりかけているときに、まわりの人を巻き込むのはよいことだとわかっている、でもそれを行動に出すのは難しいことがわかりました。

でも僕たちのやり方では、最初にペアを組んでいます。それはすなわち最初からすでにまわりの人を1人巻き込んでいるということです。 もう巻き込んでいるのですから、改めて巻き込む必要はありません。ペアワークで常に他人の視点を加えながら進めてもいいし、ソロワークするにしても短いスパンで進み具合を互いに確認したり、ちょっと困りそうかもという気がしたときに気軽に割り込んで相談してもよいのです。やり方はどうであれ、隣に居る人を使えるだけ使うのです。

…ということが僕らのやり方のキモじゃないか気付いたのですが、何となくチームのメンバも気付いてそうな気がしたので、私からは何も言わずにチームの動きを観察しました。すると、遠慮せずまわりを巻き込む行動が実験前よりも明らかに増えていることが観測できました。

自然と行動が出てきたのはすごいなーと思いつつ、そろそろネタばらしすべきと思いこの記事を書いています。暗黙知のままにしておくと、人に依存した課題を仕組みで解決したことにならないので、共有した上でチームの行動指針に明示的に入れておこうと思います。

ペアワークしてます

ペアを組んでおき、積極的に相方を巻き込むようになった結果、チームでコミットしたことを安定して完了させられるようになりました。 うまくいっていなかったときは、作業を前に進めなきゃということに気を取られて前提知識の共有が不十分なままペアワークをしていたり、ソロ作業だからと相方を壁打ち相手として使う機会も捨ててしまっていたりで巻き込みが弱かったのが、しっかりと巻き込んだ上で進めるようになりました。

ちょっとした意識の変化が大きな変化に繋がった背景として、うまく行ってないことの発見を前向きに捉える文化、発見したときに立ち止まってしっかり考える文化がチームに浸透していたことがあると思っています。

二人でもやっぱり困り事の発見が遅れて突き進んでしまうことはありますが、そこは二人になろうが人間なので仕方ないとして、朝会とかでペアの外の視点を入れて気付ければそれでよいかなと考えています。長期的にはそういう気付きをたくさん経験したり、ペアを毎週組み替えて多様な観点に触れることでチームとして少しずつでも強くなっていけばよいかなと。

相方を活用しようという意識が高まったためか、作業自体をペアでやる頻度も増えた気がします。そういう意味では改めてペアワークがデフォルトになってきた感じがします。

ペアは良いですよ!