はじめまして。IT部門 CRMグループに所属している長濵です。
今回は社内カンファレンス「ManabiCon(マナビコン)」の第4回について、実行委員会の取り組みを紹介します。
ManabiConは「学びの最大化と組織学習」というコンセプトで毎年春秋に開催されている社内カンファレンスです。人材育成には業務上の経験からいかに学びを抽出し活用できるかが大事だという考えのもと、業務の振り返りについて社内の公式な発表場を設けることで、振り返りの質が上がることを狙っています(コンセプトの詳細が知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください)。テック系部門の人は原則全員参加の大規模なイベントとなっており、前回は300人超が参加しています。
この記事は私を含む実行委員の5名全員で執筆しました。
自己紹介
葛(カツ):私は新卒で入社して8年目です。これまでに、商品部門、SCM部門、ECSE部門を経験してきました。長年にわたるデータ操作と一部の機械学習の経験がありますが、データ操作だけにとらわれたくないと思い、ECSE部門に来ました。私はECSE部門に在籍して約1年で、GCP認定資格の取得を目指して努力してきました。Webサイト開発に関してはまだ初心者ですが、複数の部門の経験を活かして、引き続き努力していきます。このManabiConは良い学びの機会です。ManabiCon委員会に参加し、活動を組織するのはこれが初めてでした。この活動を通じて、多くの人と出会い、多くの新しい知識を得ることができ、とても幸せです。
厳(ゲン):2021年に新卒入社でマーケティング部門に配属されました。先輩の登壇をきっかけにManabiConを知り、他部署の日常的な取り組みや学びを聞けるこのイベントに魅了され、ぜひ他の方々にも体験してもらいたいと考えました。エンジニアリング知識は皆無ですが、以前からイベントの企画運営に興味を持っており、エンジニア発のイベントをいかに全社的な催しに発展させるかマーケターとして挑戦したく運営に参加しました。
見取:CXマネジメント部門 UIUX Bグループ所属の見取です。2021年9月に中途入社いたしました。業務では、サイトやDMのデザインを担当しています。今回のManabiConでは、ビジュアルデザインの作成を担当させて頂きました。実は、デザイナーとして、人生で1度はイベントのデザインを担当してみたい、という思いがあったので、大変有難い機会となりました。デザインを作る種となる素敵なアイデアを出してくださった委員会の皆さんのおかげです!
六本木:ECシステムエンジニアリング部門の六本木です。2022年4月に中途入社し、サイト計測の開発・運用を行うチームでUniversal Analytics(旧GA)のGA4移行を担当しています。なかなか経験できないイベント運営と、幅広い部門の運営メンバーと交流できればと思い立候補しました!
長濵:2020年に新卒で入社しました。主な業務は、社内の基幹システム(特に顧客情報を扱うところ)の開発・運用です。前回のManabiConでは発表者として参加しましたが、今回は実行委員として、機会の少ないイベント運営に挑戦してみました。
今回のゴール:全社への展開を更に
委員会のキックオフMTGで、ManabiConを発足させてきたエンジニアリングマネージャーの普川さんより「全社的なイベントへと広げていきたい」という今後のビジョンをお聞きしました。他部門の方へ認知を広げ、発表者や視聴者として参加してみよう!と思ってもらうには何が出来るのか、委員会メンバーでアイデアを出し、取り組んで行きました。
テック系・非テック系部署からの発表をまず確保した
今回のゴールとしては前回の成功を踏まえてこの盛り上がりを全社的な展開へと拡大することです。各部署の方々から視聴してもらうため、発表者の募集自体もテック系部署中心から全社宛てに一転しました。
今回は社内のコミュニケーションツールであるSlackの総合チャンネルを含めて計14個の部門チャンネルにてManabiConの開催告知や発表者募集について宣伝を行いました。また面白い取り組みであるにもかかわらず、当事者の自己評価が低いために発表されないといったケースを防ぐため、前回のManabiConでも実施した「他薦枠」を用意し、ガチガチのテック系知識などの内容より、社内座席予約アプリプロジェクトや物流インフラ系の発表に関する要望も出ました。
基本的にはボトムアップで募集活動を行いましたが、発表したことがない人にとって登壇するのは抵抗感や不安があるでしょう。せっかくいいネタを持っている人がいっぱいいるのに応募数がなかなか伸びない時期がありました。その際に、前回の様子を伝える記事の提供や委員会からのフォローのほか、マネージャーの方々にも状況を説明し、各部門長の方々からのご協力とご理解をいたいだいてテック系部署以外の応募者がだんだん増えてきました。
全社からの視聴を目指した
認識してもらう・興味を引き出すための工夫
視聴者の方々への告知は、Slackとメールを用いて行いました。初動として、まず委員会メンバーで、今回のManabiConのキャッチコピーを作成することにしました。1人1つ案を出し投票をして、「誰でも歓迎!学びの1日 -あなたの学び、みんなと共有しませんか?-」に決定しました。このフェーズがあったことで、今回のManabiConで発信したいメッセージが、端的且つ明確になり、投稿を読んだ方々にとって、よりイメージのしやすい内容となったのではと振り返っています。 また、ManabiConの雰囲気を伝え興味を持って頂けるよう、ビジュアルコンテンツを作成し、告知に活用しました。 赤い部分は「学びの共有」、緑の箇所は「気づき、ひらめき」、青の箇所は「深める」を表しており、ManabiConのコンセプトを抽象的な形で表現しています。また、全社的なイベントへ、という展望もあったことから、明るくカラフルな配色とし、楽し気で多様な雰囲気を演出しました。
作成したキャッチコピーとビジュアルコンテンツを用いたエントリー募集開始の投稿には、社員の方々から沢山のリアクションを頂きました。
参加ハードルを下げるための工夫
ManabiConを全社的なイベントへ広げるにあたり、ただ多くの人にManabiConを認知してもらうだけでなく、実際に参加してもらうことが大切です。そのために、参加のハードルが下がるような取り組みを行いました。
タイムスケジュールを利用しやすくした
募集活動の結果、合計で32件もの発表(セッション)が集まりました。これだけのセッションを1日のイベントで扱うので、当日のタイムスケジュールとしては複数のセッションが並行して行われる形になります。視聴者はタイムスケジュールを見ることで各時間帯のセッションを確認し、自身の興味からどのセッションに参加するかを選ぶことになります。
しかしながら、前回開催時のタイムスケジュールには各セッションの内容としてタイトルしか記載されておらず、その内容を把握しづらいという課題がありました。別途エントリーシートに発表資料へのリンクが記載されてはいましたが、タイムスケジュールを見てからエントリーシートで発表資料を探す必要があるため、少々手間がかかりました。
そのため、参加するセッションを選ぶ作業がタイムスケジュールだけで完結するように、発表資料へのリンクをタイムスケジュールに直接記載しました。併せて、発表資料を細かく確認せずとも内容をある程度把握できるように、各セッションにおけるキーワードを記載しました(論文に触れたことがある方は、論文に記載されているキーワードと同じようなものだとお考え下さい)。 また、選んだセッションを自身のカレンダーに登録できるリンクもタイムスケジュールに載せることで、手軽にセッションを登録できるようにしました。
このように、セッションを選択/登録する手間の削減によって、参加のハードルが下がることを狙いました。
「モノタロウを満喫コース」を提供した
ManabiConはテック系部署において、既に人気イベントに成長していましたが、非テック系部署にとってはまだ認知度が低い取り組みでした。認知拡大の目的で「ManabiConって何?」「いつ開催するの?」を宣伝するだけでは、①具体的なイメージが想像しにくい、②数多くの内容があるけど何を聞けばいいのか悩む、③調べるのがめんどくさい、というManabiCon初心者にとっての3つの問題が解消されていませんでした。
そこで、たくさんの内容から参加するセッションを選びやすいよう開始時間・トラック(並行セッションを区別するために設けた)・タイトル・発表部署を1日単位でリストアップし、モデルコースを作成、配布しました。イベント後の運営に関するアンケートでは、平均満足度5点満点中4点以上の評価をいただきました。 ②の問題は、実はManabiConに詳しいエンジニアたちも抱いていたようでした。そのため、エンジニア編のモデルコースも用意しました。委員会メンバーの中のエンジニア3人が自分が聴きたいセッションを選び、その中で最もピックアップされたコンテンツから被らないようにスケジュールを組み立てました。
また、③を解決するために、モデルコース以外、自分ならではのフリーコース作成に必要な情報であるタイムスケジュールとその見方、またリンクでカレンダー登録する手順も1枚のスライドにまとめました。
開催当日とその後
参加者が多くこられた
当日は、内定者やテック系以外の部門を含め多くの方にご参加いただき、前回以上に大きなイベントとなりました。
いくつかトラブルが発生しましたが、参加者の協力もあり素早く対応することができました。具体的なものを2つ記載します。
1つ目は、Googleスプレッドシートで共有していたタイムスケジュールが同時閲覧数の制限でアクセスできないという問題です。これは、Web公開版URLを作成してアクセスいただくことで回避することができました。
2つ目は、セッションのキャンセルやZoom URLの変更に参加者が気づきづらいという問題です。タイムスケジュールにはセッションを個人の予定としてカレンダーに登録するためのリンクのみが記載されていたため、Slackでの連絡に気付かなかった参加者が古いZoomで待機してしまっていました。当日は急遽連絡事項を記載した画像を作成し、運営メンバー1名が画面共有することで案内をしました。次回開催する際は、タイムスケジュールにZoom URLを記載しておく、運営が用意した予定に各自参加いただく形式にする、などの対応で解消できればと思います。
事前に回避することができたトラブルとしては、本社回線の高負荷があります。参加者は在宅勤務を基本とし、会議室を用意して運営メンバーが特定セッションを放送することで、本社からの参加者が各自で接続する負荷を軽減することができました。
一日のイベントにとどまらず、学びの続きを
イベント終了後には、アンケートの実施と結果の共有を行いました。発表者へは参加者の声を届けることで、次回以降の発表モチベーションや関係者の推薦に繋がることを期待しています。
またオープニング・エンディングと全てのセッションは録画し、社内動画配信プラットフォームで公開しました。業務上必要なミーティングや他の聞きたいセッションが被ってしまった方なども好きなタイミングで視聴できるため、イベント終了後も多くの方へ学びを共有することができています。
苦労とその結果
参考情報が足りなかったが色々模索してきた
今回は、キャッチコピーやモデルコース、ビジュアルコンテンツなど新たに作成するものが多く、イベント運営の経験者もいなかったため、色々と模索しながら意思決定を行う必要がありました。Slack上で細かなやりとりを行い、全員で良いアイデアが出せたのではないかと思います。
イベント自体に関するアンケートも行い、以下のようなことも分かりました。
①全社13部門のうち10部門から参加いただいた
ビジュアルコンテンツから興味を持った方もおり、多くの部門への展開を達成することができました。イベントの認知度が上がることで、次回はより多くの部門の方に発表いただけるのではと期待しています。
②テック系以外のセッションの需要
アンケート項目の「最も役立つまたは活用できそうなセッション」では、新倉庫の立ち上げやデザインを作り出す時に意識していること、チームの活性化のために行ったことなど、テック系以外のものが多く票を集めていました。全体の感想でもテック系以外の発表は次回以降も一定数あると嬉しいという声があったため、次回以降の募集の際にとても参考になる結果となりました。
その他以下のようなフィードバックもいただきました。
・長めの休憩時間を用意していただけたので、今までで一番発表内容に集中できた
・体験型・参加型のコンテンツもあると面白そう
・本社での放送が面白そうだったので、各拠点でやるのも良いかも
・セッションが多すぎてリアルタイムで盛り上がりながら聞きたいものも多いので、やはりもう少し数を減らしてほしい
・1つのzoomを使ってbreakout roomsでセッションを分けられないか (録画の関係で無理?)
・Slackでのコミュニケーションは、その場ではいいが後からの質問がしづらい
チームワークがうまく行った
委員会5人のスケジュールから30分以上の枠を見つけるのは一番難しかったです。それでも最初の段階において30分MTGを何回か開催することでMUSTタスクを洗い出して担当をアサインし、その後の具体的な執行やBETTERタスクに関するディスカッションはSlackで行いました。
8月から開催当日までの約2ヶ月間、タスクの量や内容はそこまではないものの、些細なこと(セッションごとのアンケートを配布するためのSlack上リマインダー設定など)や即対応しないといけないこと(各種問い合わせ確認やトラブル対応など)をみんなで漏れなくやりました。
主体性を踏まえた上で、通常の業務では忙しい中でも、チームワークを重視し、一人が用事があってもほかのメンバーがすぐに対応できるように努力した結果、今回の運営は無事に終えることができました。この主体性はモノタロウの行動規範としても大切にされています。我々は常に「以前からやっている」では進歩を見込めず、組織の成長は困難であると考え、現状にとらわれず、自ら考え改善をめざし、周囲に考えを伝え、自ら行動を起こし、実行し、上手くいかなかった部分を修正し、更に実行に移していくことで、社会に必要とされる会社であり続けることができます。
今後について
今回のManabiConはとても成功しました。次回の5thManabiConでは、さらに全社的な展開を更に推進したいと考えています。そのためにも、発表部署を増やすことで、より多くの社員が参加できるようにしたいと考えています。
また、インセンティブがあると、参加者の熱意が高まると考えられます。社内クーポンやノベルティ(実物なポスターなど)を用意することで、より楽しんでいただけるようにしたいと思っています。
今回のManabiConを通じて、多くの人が新しい知識を得ることができました。次回もぜひたくさんの社員に参加していただけるよう、努めていきたいと思います。
また、モノタロウの取り組みに興味を持った方はぜひカジュアル面談にご応募ください。お待ちしてます!